スマートガバメント構想に対する考え方

スマートガバメント構想〜デジタル技術で社会が変わる〜

「日本の労働人口の49%が人工知能やロボット等で代替可能である」とは、国内のシンクタンクと英国有識者の共同研究の結果です。

私たちは、急速に発達する最先端技術が、生活を脅かし始めているのではないかという漠然とした不安を持つようになりました。

一方で、国内のスマートデバイスの普及率も約8割となり、国民の多くが無意識の内に、これらの最先端技術の向上の恩恵を受け、生活の利便性が向上しているのも事実です。

IoT、AI(人工知能)、ブロックチェーン、ビックデータ、クラウドコンピューティング、VR(バーチャルリアリティ)、AR、自動運転車、ドローンなど、私たちの社会や生活を劇的に変えてしまう技術が次々と開発されています。

そして、私たちは最先端技術のもたらす不安と希望の中で大きな岐路に立たされています。

世界ではこれらの技術を用いた競争が官民問わず活発であり、産業界では「Digitize or Die(デジタル化を進めるか、先がない状態を選ぶか)」とまで叫ばれるようになりました。

残念ながら、日本のデジタル化の取り組みは世界的にも遅れており、特に行政の分野においては、看過できないレベルに達しています。

めまぐるしく変化する国際社会において、過去の栄光にすがっていても、国家は没落していくだけです。

今までの成功体験に囚われず、しかし先人たちが作り上げてきた素晴らしい社会を基盤に、これらの最先端技術を融合させることで、日本らしい技術革新を進めていく必要があると考えます。

したがって、デジタル技術を活用し、高効率化された費用で運用される政府、すなわちスマートガバメントを推進することで、官民問わず技術革新を取り入れた社会変革が可能になる環境を整備します。

以上の考えを具現化するために、立憲民主党として、世界を変革する最先端技術を積極的に活用し、国民生活の向上に資する政策を提案します。

スマートガバメントを構築します。

スマートガバメントとは、デジタル技術を活用し、高効率化された運用される政府です。
デジタル技術を用いた業務効率化は民間部門では数多く導入されていますが、行政機関では不十分です。これらを徹底することで、究極の行財政改革を推進します。
まず政府のひとつひとつの業務を改善し、最先端の技術に置き換え、高効率化して政府を運用できるようにします。
例えば、政府の高効率化により、フロントオフィス、バックオフィス業務を効率化し、より必要なところに人員配置をすることが可能となります。
この変化は革命的であり、上昇し続ける税や社会保障にかかる費用が抑制され、国民に還元されます(政府の高効率化)。

キャッシュレス化を推進します。

日本銀行によるデジタル通貨の発行を目指します。
まず、デジタル通貨の発行により、私たちの生活における利便性が劇的に向上するだけでなく、決済や送金にかかる費用や労力が最適化されます(キャッシュレス化による利便性の向上)。
また、近年急速に発展する仮想通貨に関する消費者保護のルール作りを、国際連携をしながら推進します。ルールの策定により、仮想通貨への信用が高まり、国民生活の安全が守られるだけでなく、経済活動の活性化が期待されます(仮想通貨のルール整備)。

私たちの個人情報を私たちの手で簡単に管理できるようにします。

国民の個人情報を政府が中央集権的に一括管理するのではなく、分散型管理できるように変更します(例:ブロックチェーン等の技術を活用によるデジタルIDの発行)。
個人情報管理方法の変更により、私たちの個人情報が自分たちの手で管理できるようになります(個人情報の管理)。

また、中長期的には住民票等の市役所における証明書発行業務が不要になり、国民生活の利便性は劇的に向上します(証明書業務の効率化)。

さらに、これらの技術を応用したスマートコントラクト等の活用により、契約業務の高効率化が実現し、経済活動の活性化に繋がります(契約業務の効率化)。

最先端技術を用いた創業支援を推進します。

個人や企業が、最先端技術を用いて経済活動を円滑に行える環境を、あらゆる手段を講じて整備します。
まず、特区制度等を活用し、最先端技術を用いたベンチャー企業が次々と挑戦できる環境を創出します。このために、税制優遇、財政的支援といった従来の方法だけでなく、非移住者ID、リーガルアドレスの取得といった国外の企業も挑戦できる環境整備を推進します(国際的起業環境の整備)。

また、モノ、コト、ヒト、あらゆる資源を国民が共有(シェア)できるシェアリングエコノミーを推進します。シェアリングエコノミーの推進により、私たちの生活にかかるコストが低減されるだけでなく、社会資源の有効活用により、より環境に優しい社会が実現します(シェアリングエコノミーの推進)。

さらに、観光産業においては、Wi-Fiの整備、キャッシュレス化の推進、多言語化の推進等を進めることで、外国人観光客がシームレスに日本国内を観光できる環境を整備します(観光業の国際化)。

どこにいても投票できる社会を実現します。

国政選挙において、スマートデバイスから電子投票できるようにします。
まず、投票の電子化により、私たちは物理的・時間的制約から解放され、決まった時間に投票所に行く必要がなくなります。したがって、全ての人が労力なく投票できるようになります(投票障壁の撤廃)。

また、投票の電子化により、投票事務にかかるコストは劇的に低下するため、国政における大きな争点について、国民投票を実施することが容易になります。したがって、政治家が国民の意向を無視して、重要案件を決めることが困難になります(間接民主制と直接民主制のハイブリッド民主主義)。

さらに、選挙事務のデジタル化により、一票の格差が可能な限り生じない選挙区割りを実現することも可能になり、私たちの民意が適正な形で国会を通じて政府に反映されることになります(完全な一票の平等の実現)。

国会議員の不正撲滅と資質の向上。

国会議員業務のデジタル化を推進します。
まず、政党助成金、文書通信交通滞在費など、政治家にかかる全ての会計業務をブロックチェーン等の技術を用いてデジタル化します。その結果、議員による不正が理論上非常に困難になります。また、会計業務が激減することで、議員が本来の活動に集中できるようになります(議員の不正撲滅)。

また、国会における議員の活動をより国民にアクセスしやすい形で公開することで、国民が議員の活動を理解しやすい仕組みを構築します(開かれた国会)。

さらに、AI技術等の技術を活用することで、議員が膨大な資料を分析・調査できる環境を整備することで、議員の資質の向上をはかります(議員の資質向上)。

オープンガバメント構想〜真の民主主義の実現。

政府にかかる業務に国民が直接的かつ共創的に関われるオープンプラットフォームの構築と政府の有する情報の公開・共有を推進します。

オープンプラットフォームの構築により、政府・国会の様々なデータが迅速かつ適切に公開されます。したがって、私たちが政府の業務をより客観的に分析・判断できるようになります(政府の見える化)。

また、オープンプラットフォームの構築により、私たちが政府の業務に共創的に関わっていけるため、政府の様々な制度やインターフェースの使い勝手が国民本位の形に変わっていきます(いわゆる”お役所仕事”の改善)。

さらに、オープンプラットフォームの構築により、政府が単独で行う必要の低い業務は、国民や民間団体との共創が進みます。
クラウドファンディング、ソーシャルレンディング、ICO(Initial Coin Offering)といった技術革新は、これらの民間における取り組みを財政的に担保するため、積極的に推進します(国民と政府の共創)。